僕の大切な動く指ですから
一昨日、昨日は九州小倉で講演会と
エベレスト登山家の山元正均さん
障がい者と健常者の共生をめざし活動を続けている向野幾世さん
そして作家の神渡良平先生のお話を聞くことができました
皆さんに共通していたことは
両親があっての今の自分であることへの感謝
今与えられた仕事や今目の前にいる人と
本気でどれだけ向き合えるか
人任せにしない
あたしが!、俺が!という熱い想いのこもった情熱を持つこと
そして一生懸命と本気の違い
それは一生懸命に後に言い訳けをつけることはできるが
本気の後には言い訳はつかない
会場には本気の大人がたくさん集まっていました
今回の会の1週間くらい前にある少年さんから携帯に連絡がありました
「先生お久しぶりです 先生、今度福岡に来ますよね 会えますか?」
彼は今19歳、大学1年生
初めての出会いは今から2年半前
彼が高校1年生の時、大分県日田市で青年会議所様主催での講演に
お母さん、弟さんと来てくれました
車椅子で
青年会議所の方から講演後、少し時間作って欲しいと
講演を一生懸命一番前の端の席でご家族みんなで聞いてくれていました
講演後、話を聞かせてもらう中で
彼は一年前、中学3年生の夏、水泳の部活の練習中
飛び込みに失敗して首の骨を折ってしまったんです
「君は水泳か 俺はスキーだ 同じ仲間だね」からはじまった会話に
笑顔を見せられるくらいに心は回復していてくれました
それからお付き合いで
メールや電話、彼が修学旅行で東京に来たときは羽田で会いました
彼が高校3年生で進路を考えはじめた時は心友の藤田潮コーチに
彼のことを頼みました
見事現役で大学合格
今は大分から福岡市内で
お母さんとアパートで二人暮らしをしながら大学へ通っています
その彼が私が小倉に行くことを知り連絡をくれ
講演会に二日間参加をしたいと
彼とお母さん、1年半ぶりの再会でした
たくましくなっていた彼 相変わらず元気なお母さん
彼の麻痺はきつく、自分で車椅子の乗り降りも厳しいんです
両腕は動きます しかし動く指は右手の中指一本
車椅子は手のひらの顎の部分で上手にこぎます
「車椅子上手になったねぇ~」
「練習しましたから」
携帯のメールもスマホを左手の甲にのせ、右手の中指でちょいちょいと
「たいしたもんだ!」
「僕の大切な動く指ですから」といいながら嬉しそうな笑顔を見せる彼
その裏にどれだけ悔しい思いがあったかが分かるので
なおさら彼の笑顔がまぶしくたくましく感じました
その後、オシッコやウンチの話で盛り上がり
「今の夢は?」という話になり
車の免許を取りたい&彼女ができたらいいなぁ
まずは宣言しないと両方とも手に入れる一歩は踏み出させないと
無理矢理宣言させました
まずは今度福岡で会うときは車で迎えに来てくれる約束からでした
動く中指を愛おしそうに私に見せてくれた彼
改めて生きる勇気と今自分がおかれている環境に幸せを感じた時でした
彼の力になれる今自分にできることを考えた時でした
家に帰ったら彼からメールがあり
「次、会う時までに自分の目標に一歩でも近づけるよう努力します」と
「努力してください 報告楽しみにしています
あなたが頑張るから俺も頑張る 次も笑顔で会いましょう」と返信しました
幸せな再会の時間でした
今日も本気で生きます
横浜の中学校に行っていきます
感謝をこめて
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